水島新司
野球好きな原点はドカベンにある。そうは言っても47ある全巻まで読んでいないのだが(笑)
現実に野球部に所属することもなかったが、野球のうんちくの大半は水島新司の漫画からの系譜。彼と会わなければ間違いなく野球に興味を示すことはなかった。
奇しくも中学で柔道部にいたのは、少なからず山田太郎イズムだ。と、こじつける。(実際、ドカベンの最初は柔道からスタートしている)
随分前に野球狂の詩は記事にしていたが、ドカベンもガンダムに匹敵するくらいの好きさ加減。
水島新司の野球漫画全般が好き。
当時、野球漫画と言えば巨人の星が代表格だが、大リーグ養成ギブスだとか、魔球だとか非現実的なのだ。
どの野球漫画も4番でピッチャーの設定が多すぎた。
現実に大谷翔平が現れ投打の活躍を見て、中西球道(球道くん)を思った水島新司シンパもいたことだろう。
水島漫画は、実際起こり得る事を書いていた。そこは非常にリアルだったと言える。
また、水島漫画から生まれた事例も多数あるのも興味深い。
例を挙げると、、
野球狂の詩で五利監督は3桁の背番号である110を付けていた。が、1974年当時の野球界では3桁の番号は無かった。が、近年、育成選手の制度が出来て3桁の背番号は現実のものとなる。
さらには、ジンクスを気にする選手で甚久須という選手は背番号が0だった。これも同様で、1993年に阪神の亀山が背負った印象がある。初めて0をつけたのは広島の長嶋。
そして野球狂の詩といえば、アンダースローの水原勇気。女性をプロ野球選手にするという、とんでもない発想が当時話題に。岩田鉄五郎が、オーナーや五利監督の猛反対を押し切り、本人も断り続ける。が、岩田の粘りで入団をさせる。以下省略。
岩田鉄五郎がコミッショナーに認めされるための物語は、構成含めて完成度が高い内容だった。
1990年代後半。
規約の項目である。
選手は男とする
という項目が削除されたのだ。
これは、1997年に文庫本で発刊された時、水島本人があとがきで記していた。
現実には女性のプロ野球選手はいないが、もしかしたらという可能性はなきにしもあらずだろう。
あ。大事コトが抜けていた。岩田鉄五郎は50歳で現役投手。漫画だから、、なんて一笑していたら、数年前に中日の山本昌がそれをやってのけた。
まぁ、野球狂の歌以外にもこういったあるのだが、次の話に進もう。
あぶさんでは、ON巨人全盛の、あの時代にパリーグ主体の漫画を描き始めた唯一の漫画家で、南海ホークス景浦安武が代打屋として活躍する。酒豪でバットに酒しぶきを浴びせてバッターボックスに立つシーンは鳥肌モノだった。そして水島のすごいところは。選手や試合だけではなく、裏方、ファーム、スカウトなどの物語も事細かく書いていた。
そしてまた出すが、野球狂の歌はセリーグ主体の漫画だったが、東京メッツという国分寺にある架空の球団で物語を進める。何が嬉しかったと言えば、対戦相手に巨人が登場したことは一度もないコト。
あったにはあったが、万年二軍のキャッチャー武藤が、水原勇気に指導していた際に見た夢で、王貞治から三振に取った描写だけだ。
多くは東京アパッチ、阪神の試合が多かった。そして大洋、中日など、巨人以外の対戦エピソードが主体だったのが、アンチ巨人UZの源流だと思う
ドカベンプロ野球編で、微笑三太郎が巨人に入団したので、巨人も書かれていたが、山田〜西武、岩鬼〜ダイエー、中里〜ロッテ、殿馬〜オリックス、と、メインキャラはパリーグに集約されていた。
てか、書いてること分からんべ?
ドカベンの所属する神奈川明訓高校キャラの濃さったらない。東京生まれで家族は皆標準語なのに関西弁の岩鬼正美。天才的なピアノの才能を持つ秘打が特徴の殿馬。初代、徳川監督は飲兵衛。
敵キャラも書くと枚挙にいとまがない。
神奈川予選だけでも白新高校、キレのある速球が武器、不知火守。東海高校、雲竜、横浜学院、鉛のような重い球を投げる土門、山田を模範とするキャッチャー五郎。。。千葉県代表クリーンハイスクールの背負い投げ投法の影丸、強打留学生フォアマン。四国代表、土佐丸高校の犬飼三兄弟、眼帯が不気味な犬神。大阪代表、通天閣高校、通天閣打法の坂田三吉。明訓高校が夏の甲子園で唯一の負けを喫した弁慶高校、武蔵坊、義経。
地区、全国順不同。ブルートレイン学園、、吉良高校、赤城山高校、甲府学院、江川学院、いわき東高校、、、他チームのキャラも濃いんだよな。
最近の連載は読んでいないが、水島描写は後々の野球漫画に与えた影響は計り知れない。タッチなどあだち充の野球も魔球とかが無い、純粋な駆け引きは好感をもてる。ただ、恋愛漫画という向きが強いのが玉に傷。
ドカベンの文庫本大人買いすっかな?